デザインスタイル辞典

作例そのものから書いた、デザイン様式の辞典。

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用語776

用語辞典

スタイル名でも、作りたいものでも検索できます。 名称一致を最優先し、その上で用途・印象・媒体から近い候補を足します。

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MUJI — 森正洋《無印良品 和の食器》2004年 — Wikimedia Commons / CC BY 3.0 · © 森正洋デザイン研究所 (Mori Masahiro Design Studio, LLC.)

MUJI

無印良品 / 1980– / スタイル / 現代ブランド

工業製品の素材の地の色を、そのまま仕上げにする型。漂白しない紙、着色しない樹脂、染めない木をそのまま外装にし、商品名は面から下げ札へ移す。

漂白しない紙と、色を付けない半透明の樹脂が、そのまま外装の色になる / 商品の面に名前もしるしも刷らず、名称は下げ札と値札の中だけにある / 下げ札に、素材と作り方を説明する文章が小さな活字で何行も組まれる / 広告では商品を大きく見せず、風景か余白が画面のほとんどを占める

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Shōwa Modern — Sugiura Hisui, Tokyo Underground Railway opening poster, 1927 — alternative horizontal poster — Hisui Sugiura — Wikimedia Commons / Public domain

Shōwa Modern

昭和モダン / 1920s–1930s / スタイル / 広告ポスター

杉浦非水の三越・地下鉄ポスターに代表される、戦前日本の商業モダニズム。アール・デコと日本画の折衷、モダンガールの都会、洗練されたレタリングが、消費文化の夜明けを描いた。

デコと日本画の折衷 / モダンガールの都会 / 図案化されたレタリング / 百貨店と交通の題材

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Yuefenpai — 東亜煙草公司の広告ポスター 1930年 — Wikimedia Commons / Public domain

Yuefenpai

月份牌 / 1910s–1940s / スタイル / 広告ポスター

上海で花開いたカレンダー付き広告画。擦筆水彩で描かれた旗袍の女性像が、煙草や化粧品の広告と暦を兼ね、東西折衷の商業美人画として東アジアの視覚文化を塗り替えた。

擦筆水彩の柔らかい肌 / 旗袍の美人像 / 暦と商品の同居 / 東西折衷の室内

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Indian Calendar Art — ラヴィ・ヴァルマのオレオグラフ — Wikimedia Commons / Public domain

Indian Calendar Art

インドのカレンダー・アート / 1894– / スタイル / 民衆版画

ラヴィ・ヴァルマの石版画所から始まった神々の量産画。油彩の神話画をオレオグラフで家庭に届けた図像は、バザール・アートとして今も印刷され、インドの視覚的日常を形づくる。

神々の正面性 / 油彩風の陰影と装身具 / 飽和した祝祭色 / 暦と広告の枠

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Tiki Style — トレーダー・ヴィックスのメニュー表紙 — Wikimedia Commons / No restrictions

Tiki Style

ティキ・スタイル / 1934–1960s / revival / 世界観 / ポップ

米国のバーとレストランが空想したポリネシア。彫像・竹・トーチ・マイタイのグラスが戦後の逃避願望を様式化した。太平洋諸文化の借用の歴史を含めて読むべき、幻想の南洋。

ティキ彫像のモチーフ / 竹とラタンの内装 / トーチと火 / トロピカルカクテルの器

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Manga Lettering — 作者不詳 大正期の漫画 手描きの片仮名が画面に散る — Wikimedia Commons / Public domain

Manga Lettering

漫画の描き文字 / 1930s– / スタイル / レタリング

「ドーン」「シーン」。効果音や気配を絵として描く日本漫画の文字。音の質感を線の太さと形で翻訳する描き文字は、コマの中で絵と文字の境界を溶かす発明で、翻訳不能の視覚言語になった。

音を形にする描き文字 / 太さと質感の対応 / コマを貫く配置 / 静寂まで書く(シーン)

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Golden and Silver Age Comic Book Style — 黄金期コミックの表紙 1948 — Wikimedia Commons / Public domain

Golden and Silver Age Comic Book Style

黄金期・銀の時代のアメコミ / 1938–1970 / スタイル / イラストレーション様式

安い新聞用紙への四色刷りという条件から出てきた誇張の文法。黒く太い輪郭で形を囲い、面は原色の掛け合わせと網点で埋め、動きと音を線と文字の形そのものとして描く。

黒く太い一定幅の輪郭が、人物も背景もすべて囲う / 面が原色の掛け合わせと、目に見える粗さの網点で埋まる / 擬音が縁取りされた爆発形の中に、手描きの大文字で入る / 人物がコマの枠を踏み越え、速度線が動きの方向へ引かれる

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Ligne Claire — エルジェ《タンタンの冒険》壁画(ブリュッセル、エチューヴ通り) — Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0 · © Ferran Cornellà

Ligne Claire

リーニュ・クレール / 1929– / スタイル / イラストレーション様式

エルジェ『タンタン』が確立した均一な輪郭線の様式。影を落とさず、どの要素も同じ太さの線で描く民主的な画面が、明晰さそのものを美学にし、欧州漫画から現代イラストまで流れ続ける。

均一な太さの輪郭線 / 影の不在 / 平面的な彩色 / 背景も人物も同格の描写

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Turkish Republican Poster — 映画『アテシュテン・ギョムレク』チラシ 1932 — Wikimedia Commons / Public domain

Turkish Republican Poster

トルコ共和国期ポスター / 1920s–1950s / スタイル / 地域別グラフィック

イハプ・フルシがほぼ一人で築いた初期共和国の広告様式。平面的な人物、明快な色面、新正書法のラテン文字レタリングが、国家の近代化政策とグラフィックを一体化させた。

平面的な人物表現 / 明快な色面 / ラテン文字の推進 / 国家近代化の題材

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Cubism — Juan Gris《ギターのある静物》1913 — Wikimedia Commons / Public domain

Cubism

キュビスム / 1907–1925 / スタイル / 前衛

対象を単一の視点から解放し、複数の視点で見た面を同一平面上に再構成する絵画革命。分析的段階の砕けた面と抑えた色、総合的段階の新聞紙コラージュと文字の導入が、20世紀のグラフィックデザインに「画面は現実の窓ではなく構成の場である」という前提を与えた。

多視点の同時提示 / 面へ分解された対象 / 抑えた土色とグレーの階調 / 新聞紙とレタリングのコラージュ

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Fauvism — Henri Matisse《開いた窓、コリウール》1905 — Wikimedia Commons / Public domain

Fauvism

フォーヴィスム / 1904–1908 / スタイル / 前衛

色を対象の再現から切り離し、純色を平坦な面として叩きつけた短命な運動。輪郭は筆致そのものが担い、補色の隣接が画面を振動させる。色彩を情動の装置として使う以降のすべての設計の起点になった。

チューブから出したままの純色 / 補色の直接隣接 / 塗り残しの白地 / 荒い筆致が輪郭を兼ねる

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Orphism — Robert Delaunay《街への同時窓》1912 — Wikimedia Commons / Public domain

Orphism

オルフィスム / 1912–1914 / スタイル / 幾何学抽象

キュビスムの分解に色彩と運動を戻し、同時対比する円環で光そのものを描いた抽象。回転するディスクと分光したスペクトルが、静止画面の中に時間と振動を生む。色の同時対比理論を造形へ翻訳した最初の実践のひとつ。

同心円と回転するディスク / スペクトル順に並ぶ色相 / 円弧の交差による分割 / 色の同時対比

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Rayonism — Mikhail Larionov《赤と青のレイヨニスム(浜辺)》1911 — Wikimedia Commons / Public domain

Rayonism

レイヨニスム / 1912–1914 / スタイル / 前衛

物体そのものではなく、物体から反射する光線の交差を描くと宣言したロシアの抽象。斜めに走る鋭い線束が交わり、対象は光の干渉パターンへ解体される。ロシア抽象がキュビスムから独立する分岐点になった。

斜行する鋭い線束 / 線の交差でできる面 / 対象の輪郭の消失 / 限定色の重ね

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Purism — 『L'Esprit Nouveau』第1号 — Wikimedia Commons / Public domain

Purism

ピュリスム / 1918–1925 / スタイル / 近代デザイン運動

キュビスムの装飾化を批判し、機械時代にふさわしい明晰な形へ戻せと説いた運動。瓶・グラス・ギターといった規格化された「オブジェ・タイプ」を、水平垂直の秩序と抑えた色で描く。雑誌『レスプリ・ヌーヴォー』を通じて近代建築とグラフィックの規範になった。

規格化された日用品のシルエット / 水平垂直を基調とした構成 / 抑制された色数 / 重なりの輪郭線

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Cloisonnism — Paul Gauguin《説教のあとの幻影》1888 — Wikimedia Commons / Public domain

Cloisonnism

クロワゾニスム / 1888–1895 / スタイル / 世紀末芸術

七宝の仕切り線から名を得た、太い輪郭線で囲った平坦な色面による描法。浮世絵とステンドグラスの見方を油彩へ持ち込み、陰影による立体を捨てて記憶の中の色を置く。ポスターの平面性を準備した技法。

太く暗い輪郭線 / 陰影のない平坦な色面 / 装飾的に単純化された形 / 記憶の色による彩色

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Les Nabis — Pierre Bonnard《France-Champagne》ポスター 1891 — Wikimedia Commons / Public domain

Les Nabis

ナビ派 / 1888–1900 / スタイル / 世紀末芸術

「絵画とは、ある秩序で覆われた平坦な面である」という宣言から出発した、預言者を名乗る画家集団。室内と日常を装飾パネル、リトグラフ、本の挿絵、舞台美術へ拡張し、ファインアートと応用美術の境界を溶かした。

装飾パネルとしての画面構成 / 模様と地の反転 / くすんだ中間色の調和 / 室内と日常の主題

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Neo-Impressionism — Georges Seurat《グランド・ジャット島の日曜日の午後》1884–86 — Wikimedia Commons / Public domain

Neo-Impressionism

新印象主義 / 1886–1900 / スタイル / 幾何学抽象

印象派の直感を光学理論で置き換え、混ぜない純色の点を並べて網膜上で混色させる方法。分割主義と点描の規律は、後の網点印刷、モザイク、ピクセルによる画像構成と同じ問題を先に扱っている。

等間隔に置かれた点 / 補色の並置による振動 / 混ぜない純色 / 縁取りの点による額装効果

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Symbolism — Gustave Moreau《出現》1876頃 — Wikimedia Commons / Public domain

Symbolism

象徴主義 / 1886–1910 / スタイル / 世紀末芸術

外界の描写ではなく、夢・神話・観念を暗示する形と色で内面を可視化しようとした国際運動。曖昧な輪郭、閉じた瞳、装飾化された植物と紋様が、意味を明示せず気配として置かれる。世紀末のポスターと書物装飾の語彙をつくった。

夢と神話の主題 / 曖昧に溶ける輪郭 / 装飾化された植物と紋様 / くすんだ深い色域

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Socialist Realism — Isaak Brodsky によるレーニン像 1925 — Wikimedia Commons / Public domain

Socialist Realism

社会主義リアリズム / 1932–1988 / スタイル / 社会運動と版画

1934年に国家の公式様式として定められた、労働者と指導者を理想化して描く写実。前衛の実験を退けて誰にでも読める図像へ統一し、低い視点、前進する群像、明るい未来の光で体制の物語を反復した。国家が様式を決めた稀な事例として重要。

英雄化された労働者像 / 仰角からの記念碑的構図 / 健康的な肌と明るい光 / 前進する群像

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Lettrism — 『grammeS』ウルトラ・レトリスト・グループ機関誌 内頁 — Wikimedia Commons / CC0

Lettrism

レトリスム / 1946–1970s / スタイル / 実験タイポグラフィ

文字を意味を運ぶ道具から解放し、音と形そのものを作品の素材とみなしたパリ発の運動。読めない文字が敷き詰められた画面、記号の増殖するハイパーグラフィー、映画のフィルムへの直接刻印まで、文字を物質として扱う実験を広げた。

読解できない文字の敷き詰め / 手書きと活字の混在 / 記号の増殖するハイパーグラフィー / 文字を絵画素材として扱う

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Situationist Graphics — 雑誌『Internationale situationniste』第1号 1958 — Wikimedia Commons / Public domain

Situationist Graphics

シチュアシオニスト・グラフィックス / 1957–1972 / レイアウト / 社会運動と版画

既存の広告・漫画・映画の画像を奪い、吹き出しの文だけを差し替えて意味を反転させる転用(デトゥルヌマン)の実践。制作コストを払わずに支配的なイメージを内側から裏切る手つきは、以後のカルチャー・ジャミングとネットのミームまで直通している。

既存画像の流用と文の差し替え / 漫画のコマと吹き出し / 理論的な長文キャプション / 粗い複写の質感

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Art Informel — Wols によるコンポジション — Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0 · © G.Garitan

Art Informel

アンフォルメル / 1945–1960 / スタイル / 戦後抽象絵画

戦後ヨーロッパで、幾何学的な構成も具象も拒み、物質と行為の痕跡そのものを画面にした抽象。厚く盛られた絵具、掻き傷、滲み、破れが、形になる前の状態を提示する。素材の物質感を前面に出す設計の源流。身振りの速さを見るときはタシスム、叙情の側を見るときはリリカル・アブストラクションと、同じ絵の別の面を指す名が並び立つ。

厚塗りと掻き傷の痕跡 / 形を成さない滲み / 土と灰の色域 / 支持体の破れと露出

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Tachisme — Hans Hartung《T46-17》1946 — Wikimedia Commons / CC BY 2.0 · © Pedro Ribeiro Simões from Lisboa, Portugal

Tachisme

タシスム / 1945–1960 / スタイル / 戦後抽象絵画

タシュ(染み)から名を得た、筆触と滴りの偶然性を主役にするヨーロッパの抽象。計画された構図を捨て、絵具が置かれ流れる速度そのものが画面の秩序になる。アンフォルメルの中でも身振りの速さに焦点を置く呼び名。

染みと滴りの集積 / 速い身振りの筆跡 / 中心を持たない配置 / 白地の余白との対比

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Spatialism — Lucio Fontana《空間概念》Kröller-Müller Museum — Wikimedia Commons / Public domain

Spatialism

スパツィアリズモ / 1947–1968 / スタイル / イタリア前衛芸術

画布を切り裂き穴を穿つことで、絵画を二次元の幻影から実際の空間へ開こうとしたイタリアの運動。切れ目の背後の闇が本物の奥行きとして現れ、支持体そのものが作品になる。素材の表面を破る操作を造形言語にした先例。

画布の切れ目と穿孔 / 単色に塗られた面 / 切れ目の背後に現れる闇 / 支持体そのものの提示

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収録方針

IndexStyleは、デザインの周辺で使われる言葉を何でも載せる一覧ではない。独立項目にするのは、見分けられ、再現でき、近い様式との差を説明できる視覚言語だけ。 収録基準

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