デザインスタイル辞典

作例そのものから書いた、デザイン様式の辞典。

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用語776

用語辞典

スタイル名でも、作りたいものでも検索できます。 名称一致を最優先し、その上で用途・印象・媒体から近い候補を足します。

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Wiener Werkstätte — ホフマン ストックレー邸(CC BY-SA 3.0) · © Busoni

Wiener Werkstätte

ウィーン工房 / 1903–1932 / スタイル / 近代デザイン運動

ホフマンとモーザーが設立した工房が、建築から家具・食器・服飾までを一貫した幾何学と手仕事の質で設計。生活全体を一つの作品として扱う「総合芸術」を商業工房で実践した。

正方形と格子 / 黒と白の対比 / 手仕事の贅沢 / 生活全体の設計

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Garden City — Ebenezer Howard, Garden Cities of To-morrow — The Three Magnets diagram — Ebenezer Howard (1850-1928) — Wikimedia Commons / Public domain

Garden City

田園都市 / 1898– / レイアウト / 近現代建築

ハワードが図式で提案した、都市と田園の利点を結ぶ計画人口の自足都市。同心円のダイアグラムがレッチワースで実体化し、世界中の郊外・ニュータウン計画の原型になった。

同心円のダイアグラム / 緑地帯による分離 / 計画人口 / 職住近接

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Case Study Houses — イームズ自邸(No.8)(CC BY-SA 4.0) · © Gunnar Klack

Case Study Houses

ケース・スタディ・ハウス / 1945–1966 / スタイル / 近現代建築

雑誌『Arts & Architecture』が戦後の住宅不足に応えて委嘱した実験住宅プログラム。鉄骨とガラスの既製部材で、カリフォルニアの気候に開いた明るい近代生活の像を大衆化した。

鉄骨とガラスの軽さ / 内外の連続 / 既製部材の構成 / 水平に開く平面

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Brutalist Architecture — バービカン・エステート(CC BY-SA 4.0) · © Colin

Brutalist Architecture

ブルータリズム建築 / 1950s–1970s / スタイル / 近現代建築

打ち放しコンクリート(ベトン・ブリュット)の素材をそのまま見せ、構造と設備を隠さない戦後の公共建築の倫理。福祉国家の理想と結びつき、現在は保存運動の対象になっている。

打ち放しコンクリート / 巨大な量塊 / 露出した構造 / 反復するユニット

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Shaker Design — ハンコック・シェーカー村の円形石造納屋(CC0)

Shaker Design

シェーカー・デザイン / 1780s–1900s / スタイル / 家具とインテリア

米国の宗教共同体シェーカー教徒が信仰として実践した簡素の造形。装飾を排し、用途と誠実な工作だけで到達した家具と室内は、後の機能主義と北欧デザインの先駆になった。

装飾の完全な排除 / ペグレールの壁面 / 軽く正確な家具 / 労働としての完成度

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Bentwood (Thonet) — MAK所蔵のトーネート椅子(CC0)

Bentwood (Thonet)

曲木家具(トーネット) / 1859– / 技法 / 家具とインテリア

蒸気で曲げたブナ材を少数の部品に還元したトーネットの椅子No.14は、分解輸送と大量生産を実現した最初の工業家具。部品の合理と曲線の優雅を両立させ、近代デザインの原点と呼ばれる。

蒸気曲げの曲線 / 少数部品への還元 / ノックダウン輸送 / 軽さと量産

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Sukiya Style — 桂離宮(CC BY-SA 3.0) · © John Chang

Sukiya Style

数寄屋 / 16th century– / スタイル / 歴史様式

茶の湯の美意識から生まれた、格式を崩した軽やかな和風住宅の様式。細い柱、面皮材、土壁、障子の光が、素材の性質と余白をそのまま空間の質にする。桂離宮が近代建築家の巡礼地になった。

細い柱と軽い屋根 / 面皮柱と土壁 / 障子の拡散光 / 庭との連続

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Italian Bel Design — ソットサス オリベッティ・バレンタイン(CC BY-SA 4.0) · © Maksym Kozlenko

Italian Bel Design

イタリアン・ベル・デザイン / 1950s–1970s / スタイル / 戦後工業デザイン

戦後イタリアの産業とデザイナーが生んだ、機能主義に感性と彫刻性を加えた工業製品の黄金期。カスティリオーニの照明やオリベッティの機器が、製品を文化として輸出した。

彫刻的なプロダクト / 大胆な色とユーモア / 企業とデザイナーの同盟 / 素材の実験

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Ulm School (HfG Ulm) — マックス・ビル ウルム・スツール(CC BY-SA 3.0) · © Christos Vittoratos

Ulm School (HfG Ulm)

ウルム造形大学 / 1953–1968 / スタイル / 戦後工業デザイン

バウハウスの後継としてマックス・ビルらが設立し、デザインを科学・方法論・システムとして再定義した学校。ブラウン社との協働が「機能主義の顔」を世界標準にした。

方法とシステム / グリッドとモジュール / 装飾の排除 / 科学としてのデザイン

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Emotional Architecture — バラガン自邸(CC BY-SA 3.0 IGO) · © Francesco Bandarin

Emotional Architecture

情感の建築 / 1953- / スタイル / 近現代建築

窓のない大きな壁を彫刻の量塊として立て、色と直射日光と静けさだけで感情を起こさせる建築。ゴエリッツがエル・エコのために書いた1953年の宣言が、機能主義への異議としてこの名前を与えた。

窓のない一枚の大きな壁 / 単色で塗り切った面 / 直射日光が落とす影の面 / 建物というより彫刻の量塊

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Parametricism — ザハ・ハディド ロンドン水泳センター(CC BY-SA 4.0) · © Ank Kumar

Parametricism

パラメトリシズム / 2008– / スタイル / 近現代建築

全要素をパラメータで連続的に関係づけ、流動する曲面と勾配的な変化で建築を組織する様式。シューマッハーが命名し、ザハ・ハディド事務所の作品群がその実装例になった。

連続する曲面 / 勾配的な変化 / 要素間の相互適応 / 直角の不在

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Chinoiserie — ヘルブルン宮殿の中国の間(CC BY-SA 4.0) · © Wolfgang Sauber

Chinoiserie

シノワズリ / 17th–18th century / スタイル / 異文化受容

ヨーロッパが想像した中国趣味。輸入磁器や漆器への憧れが、壁紙・家具・庭園のパゴダへ展開し、ロココの軽やかさと結びついた。実像ではなく欲望が生んだ装飾世界として読む。

空想の東洋モチーフ / パゴダと格子 / 漆と磁器の質感 / 壁紙の連続画

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Schematic Transit Diagram — スキーマティック路線図の現代例(CC BY-SA 3.0) · © Oslo_Metro_diagram.svg : Arsenikk derivative work: Arsenikk (talk)

Schematic Transit Diagram

スキーマティック路線図 / 1933– / レイアウト / 情報デザイン

地理的正確さを捨て、水平・垂直・45度の線と等間隔の駅だけで路線網を描く図法。ベックの1933年ロンドン地下鉄図が確立し、世界中の交通図の共通言語になった。

45度に制限された線 / 等間隔の駅 / 路線色のコード / 地理からの独立

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Pictogram System — AIGA/DOT シンボル「レストラン」 — Wikimedia Commons / Public domain

Pictogram System

案内用ピクトグラム / 1964– / スタイル / 情報デザイン

言語に頼らず施設と行為を示す統一図記号の体系。東京1964オリンピックが競技と案内の体系化を確立し、AIGA/DOTの交通標識シンボルがパブリックドメインの標準として世界に定着した。

幾何学化された人体 / 統一された線の太さ / 体系としての一貫性 / 言語からの独立

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Hatsusaburō Panoramic Map — 吉田初三郎『伊勢名所図会』 — Wikimedia Commons / Public domain

Hatsusaburō Panoramic Map

初三郎式鳥瞰図 / 1913–1950s / スタイル / 図解表現

吉田初三郎が確立した観光鳥瞰図の様式。極端に湾曲する地平線、誇張された名所、遠方の都市まで一枚に収める視野で、大正・昭和の日本の旅を絵地図に変えた。

湾曲する地平線 / 名所の誇張 / 極端な広角の視野 / 絵画的な彩色

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White Cube — ロンドンのギャラリー ホワイトキューブ・バーモンジーの内部 2014年 撮影 Matt Brown — Wikimedia Commons / CC BY 2.0

White Cube

ホワイトキューブ / 1930s– / スタイル / 展示デザイン

白い壁・均質な照明・無装飾の空間で作品だけを立ち上がらせる展示の様式。MoMAが定着させ、オドハティの批評が「中立を装う制度」としての性格を暴いて以後も、現代美術の既定値であり続ける。

白い壁 / 均質な照明 / 作品の孤立 / 文脈の消去

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Wunderkammer — ヴォルムの博物室 1655 — Wikimedia Commons / Public domain

Wunderkammer

驚異の部屋 / 16th–18th century / スタイル / 展示デザイン

自然物と人工物、標本と美術を区別せず一室に集積した近世の収集展示。天井から壁まで埋め尽くす濃密さが世界の縮図を目指し、博物館の祖型かつ「収集の美学」の原点になった。

天井までの集積 / 自然物と人工物の混在 / 分類以前の驚異 / 収集家の宇宙

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Salon Hang — マルティーニ『1787年のサロン展』(CC0)

Salon Hang

サロン掛け / 1667–19th century / レイアウト / 展示デザイン

床から天井まで絵画を隙間なく積み上げるパリのサロン展の掛け方。位置の高低が作品の格付けを語り、鑑賞を競争と社交の場に変えた。ホワイトキューブの正反対の原点。

床から天井への積層 / 額縁の密集 / 位置による格付け / 壁面の全面使用

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Habitat Diorama — AMNH「水場」のジオラマ(CC BY 4.0) · © Vicpeters

Habitat Diorama

ハビタット・ジオラマ / 1889– / スタイル / 展示デザイン

剥製・前景の実物・湾曲した背景画を一体化させ、生息環境ごと切り取ったように見せる自然史博物館の展示形式。エイクリーが芸術の域に高め、没入展示の原型になった。

湾曲する背景画 / 実物と絵画の継ぎ目消し / 凍結された生態の一瞬 / 覗き込む窓

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Panorama — パノラマ・メスダフ 1881(CC BY-SA 4.0) · © Donarreiskoffer

Panorama

パノラマ館 / 1787–1900s / スタイル / 展示デザイン

円形の建物の内壁全周に描いた巨大絵画で観客を風景の中心に置く19世紀の没入装置。照明と実物の前景で絵との境界を消し、映画以前の大衆視覚娯楽の頂点になった。

360度の絵画 / 中央の観覧台 / 境界を消す前景 / 管理された自然光

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Neon Signage — 香港・士丹利街のネオン(CC BY 2.0) · © VasenkaPhotography

Neon Signage

ネオンサイン / 1912–1990s / revival / スタイル / サインとディスプレイ

ガラス管を曲げて文字と絵を光らせる商業サインの様式。香港の道路上に張り出す漢字ネオン、ラスベガスの過剰な光の競争など、都市ごとの夜の景観言語をつくった。

曲げガラス管の線 / 夜空に浮く発光文字 / 道路へ張り出す看板 / 点滅と順送りの動き

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Ghost Signs — ロンドンのゴーストサイン(CC BY-SA 4.0) · © Acabashi

Ghost Signs

ゴーストサイン / 1880s–1950s / rediscovery / スタイル / サインとディスプレイ

煉瓦壁に直接描かれ、風化して薄れた手描き広告。ウォールドッグと呼ばれた職人のレタリングが、剥落と褪色を経て都市の記憶の層として再発見されている。

煉瓦への直接ペイント / 褪色と剥落 / 職人のレタリング / 重ね描きの層

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Supergraphics — ソロモン シーランチのスーパーグラフィックス(CC BY 4.0) · © Dale Cruse - 10M views

Supergraphics

スーパーグラフィックス / 1966–1970s / スタイル / サインとディスプレイ

建築の壁面を超えるスケールで幾何学図形と文字を描き、空間の知覚そのものを変える環境グラフィック。ソロモンがシーランチで確立し、スイス・タイポグラフィとカリフォルニアの大胆さを接合した。

建築を横断する図形 / 壁を曲がる文字 / 原色の大面積 / 空間知覚の操作

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Circus Poster — バーナム&ベイリー ポスター 1899 — Wikimedia Commons / Public domain

Circus Poster

サーカスポスター / 1870s–1930s / スタイル / 広告ポスター

多色石版と木活字を総動員し、過剰な描写と最大級の言葉で見世物を予告した興行ポスターの様式。壁一面を占拠する貼り出しまで含めて、都市を劇場に変える広告だった。

多色石版の飽和 / 誇張された動物と曲芸 / 最大級の惹句 / 密度の高い構成

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収録方針

IndexStyleは、デザインの周辺で使われる言葉を何でも載せる一覧ではない。独立項目にするのは、見分けられ、再現でき、近い様式との差を説明できる視覚言語だけ。 収録基準

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