近現代建築

鉄とコンクリートとガラスが可能にした形と、それを土地や気候にどう合わせるかの応答が並ぶ。世界共通の様式と地域からの反論が同居する。

辞書情報

  1. ストリームライン・モダン 1930s–1940s / スタイル

    流線形、水平線、丸い角、金属面によって、静止した物にも速度と機械時代の楽観を与える。

  2. バイオモーフィズム/有機的形態 1930s–1960s / ongoing / スタイル

    細胞、骨、臓器、植物などを思わせる非対称で連続的な形を、抽象・家具・器・空間へ展開する。

  3. インターナショナル・スタイル 1920s–1960s / スタイル

    装飾を排し、直方体、自由な平面、鉄・コンクリート・ガラスによって国境を越える普遍的な建築言語を目指す。

  4. メタボリズム建築 1960s–1970s / スタイル

    都市と建築を生物のように成長・交換・更新できる巨大なシステムとして構想する。

  5. ハイテック建築 1970s– / スタイル

    配管、構造、エレベーター、接合部など、通常は隠す設備を外へ出し、建物を巨大な機械として見せる。

  6. トロピカル・モダニズム 1940s–1970s / スタイル

    庇、ルーバー、通風、日射制御によって、近代建築を高温多湿な地域の気候へ適応させる。

  7. 有機的建築 1900s– / スタイル

    建物、家具、素材、地形、光を別々に扱わず、場所と暮らしを含む一つの連続体として設計する。

  8. ラディカル建築/イタリアン・ラディカル late-1960s–1970s / スタイル

    機能主義や消費社会へ異議を唱え、架空都市、家具、写真、コラージュで建築そのものの前提を批評する。

  9. ポストモダン建築 1960s–1990s / スタイル

    近代建築の普遍性へ反発し、歴史的引用、装飾、記号、色、皮肉を都市と建物へ再導入する。

  10. グーギー建築 late-1940s–1960s / スタイル

    自動車から一瞬で認識できる誇張した屋根、ネオン、ガラス、宇宙時代の形で、ロードサイド商業を劇場化する。

  11. プレーリー・スクール 1893–1920s / スタイル

    アメリカ中西部の平原に呼応した水平線の建築。深い軒、連続窓、低い屋根、内外の連続で、ヨーロッパの様式輸入から独立した最初の米国近代住宅を確立した。

  12. 表現主義建築 1910s–1920s / スタイル

    彫塑的な曲面と煉瓦の細部で感情と象徴を語る建築。メンデルゾーンの流線、アムステルダム派の波打つ集合住宅など、機能主義に回収されない近代のもう一つの道。

  13. 田園都市 1898– / レイアウト

    ハワードが図式で提案した、都市と田園の利点を結ぶ計画人口の自足都市。同心円のダイアグラムがレッチワースで実体化し、世界中の郊外・ニュータウン計画の原型になった。

  14. ケース・スタディ・ハウス 1945–1966 / スタイル

    雑誌『Arts & Architecture』が戦後の住宅不足に応えて委嘱した実験住宅プログラム。鉄骨とガラスの既製部材で、カリフォルニアの気候に開いた明るい近代生活の像を大衆化した。

  15. ブルータリズム建築 1950s–1970s / スタイル

    打ち放しコンクリート(ベトン・ブリュット)の素材をそのまま見せ、構造と設備を隠さない戦後の公共建築の倫理。福祉国家の理想と結びつき、現在は保存運動の対象になっている。

  16. ラテンアメリカ近代建築 1940s–1980s / スタイル

    国際様式を土地の色彩・光・情感で書き換えたラテンアメリカの近代建築。バラガンの色壁と水、ニーマイヤーの曲面が、近代建築にも地域の感情がありうることを証明した。

  17. パラメトリシズム 2008– / スタイル

    全要素をパラメータで連続的に関係づけ、流動する曲面と勾配的な変化で建築を組織する様式。シューマッハーが命名し、ザハ・ハディド事務所の作品群がその実装例になった。

  18. ヴァナキュラー建築 prehistory– / スタイル

    建築家なしで、土地の材料・気候・慣習から生まれた無名の建築。ルドフスキーのMoMA展が「系譜なき建築」として提示して以来、気候適応と持続可能性の教科書として参照され続ける。

  19. イタリア合理主義 1926–1943 / スタイル

    近代建築の抽象と地中海の古典を同時に成立させようとしたイタリアの運動。白い箱に見えて、実際は柱間の律動、深い庇、大理石の面が古代の比例を引き受けている。近代と伝統を対立させない解き方の教科書。

  20. ストリップト・クラシシズム 1920s–1950s / スタイル

    古典建築から装飾だけを削ぎ落とし、比例・軸線・柱の律動だけを残した官庁・記念建築の様式。装飾がないのに古典として読めることが、権威を語る低コストな手段になった。ミニマルと威圧が同居する例として重要。

  21. クリティカル・リージョナリズム 1980s– / スタイル

    国際様式の均質さにも、郷土趣味の懐古にも与しない立場。土地の気候・地形・素材・光を設計の条件として引き受けながら、近代建築の言語で応答する。場所に根ざすことと後ろ向きであることを切り離した。

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