このガイドの選定基準
プラットフォーム、制作ツール、圧縮痕、流通形式のいずれかが、反復可能な外観を実際に形づくるものを選ぶ。ネットで人気というだけでは収録しない。 独立項目にする5条件
スタイルと分けているもの
ミーム、ファンダム、属性、内容の気分は自動的にスタイルにならない。候補は外部カタログ台帳で別に記録し、統合・保留・除外の判断を公開している。
フィードが人物と部屋を編集する
トリミング、キャプション、持ち物の束、投稿順までが、中立な配信手段ではなく視覚体系の一部になる。
709
2014 Tumblr Girl / 2012–2016
Tumblr上の音楽、ファッション、写真引用が、黒いスキニージーンズ、バンドT、チョーカー、暗い口紅、直射フラッシュと低彩度フィルターへ収束した2010年代前半のネット発スタイル。投稿の連続そのものが、服と夜のイメージを一つの人格へ編集した。
見分ける特徴: 黒いスキニー、バンドT、チェックシャツ、チョーカー / 直射フラッシュの夜景と粒子の粗い低彩度写真 / 濃いアイライン、暗いリップ、無造作な長髪 / 短い小文字キャプション、歌詞引用、モノクロ画像の連続
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713
E-style / late 2010s–early 2020s
TikTokの短尺動画で、Emo、Scene、Anime、skate、K-popの記号を、顔の近接撮影と反復可能なメイク・服へ編集したネット発スタイル。性別で二分するより、黒いレイヤー、分けた髪色、目元と頬の記号、画面内演技を共有する一つの系統として扱う。
見分ける特徴: 黒い長袖の上へグラフィックTを重ねる / 左右で分けた髪色、強いアイライン、頬の小さな記号 / チェーン、チョーカー、ベルト、縞やチェック / スマホの近接画角、LED色光、短いリップシンク動画
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722
VSCO Girl / 2018–2020
写真編集アプリVSCOと短尺SNSで、オーバーサイズT、短パン、scrunchie、貝殻ネックレス、再利用ボトルを、明るい海辺の色と均一な持ち物セットへまとめた2010年代末のティーン向けネット美学。
見分ける特徴: 大きなTシャツと短パン、Birkenstockまたはスリッポン / scrunchie、貝殻ネックレス、友情ブレスレット / 再利用ボトルとストローなど環境配慮を示す小物 / 自然光、海辺、淡い青と桃色のスマホ写真
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076
Weirdcore / 2010s–2020s
低画質画像、無関係な文字、歪んだ記号を重ね、現実の接続が少し壊れた感覚をつくる。
見分ける特徴: 低解像度 / 不一致な文字 / 目と顔 / 圧縮ノイズ
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075
Dreamcore / late-2010s–2020s
懐かしい空間を夢の論理で編集し、安心と違和感が同時にある記憶のような像をつくる。
見分ける特徴: 霞んだ郊外 / 雲と空 / 意味深な短文 / 目や扉
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077
Liminal Space / late-2010s–
人がいるはずの移行空間を空のまま写し、既視感、孤独、時間の停止を引き出す。無人の室内プール、夜の廊下、閉店後の商業施設といった題材ごとに呼び名が枝分かれしている。
見分ける特徴: 無人の廊下 / 蛍光灯 / 古い内装 / 深夜の公共空間
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718
Mallsoft / early 2010s–
Vaporwaveから分岐し、空のショッピングモール、フードコート、噴水、館内放送を、残響の深い音と低解像度映像へ変えるネット美学。消費空間の記憶を、安心と不在が同居する長い通路として再構成する。
見分ける特徴: 無人または人の少ない1980–90年代型モール内装 / 噴水、人工植物、フードコート、吹抜け / VHSの滲み、低解像度、紫・青緑の色かぶり / 遠い館内BGM、放送、長い残響を想起させる画面
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ネットの郷愁と、想像されたデジタル過去
古い画面、初期CG、音楽ネットワーク、失われた未来像を、対象時代の明確な文法へ変える系統。
021
Web 1.0 / 1990s
制約の多かった初期Webの素朴さを、直接性と愛嬌として再利用する。2020年代には個人サイトを取り戻す運動としても立ち上がり、Neocities や Yesterweb がその呼び名になった。
見分ける特徴: 青リンク / 低解像度GIF / システム文字 / 素朴なボタン
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639
Early Cyber / late 1980s–early 1990s
初期MacintoshとDTPが、文字、写真、熱画像、ピクセルを初めて自由に歪められる驚きを露出した画面言語。完成度より操作の発見が前に出て、印刷と画面の境界がまだ不安定なまま残る。
見分ける特徴: 粗い二値画像、熱画像、低解像度の人物写真 / 引き伸ばし、反転、ビットマップ化した文字 / 不規則な窓、ツール、座標、カーソルの断片 / 蛍光色と黒白を重ねた初期DTPの試行
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027
Vaporwave / 2010s
消費社会と初期デジタルの記憶を、夢のような違和感へ変える。
見分ける特徴: ピンクと紫 / 古典彫像 / 初期CG / 南国と日本語
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016
Synthwave / 1980s imagined future
80年代が想像した未来を、ネオンと地平線で再生する。
見分ける特徴: ネオン / 遠近グリッド / 夕日 / 黒い空
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078
Seapunk / 2011–2013
海洋CG、ターコイズ、イルカ、90年代3DをSNS時代の音楽・ファッションと混ぜる。
見分ける特徴: ターコイズ / イルカCG / 波と貝 / 初期3D
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728
Witch House Graphics / 2009–2012
2009年頃のTumblr、ブログ、低予算の音楽映像で、暗い夜間写真、加工された拾得映像、VHSの崩れ、読みにくく置換した文字を一つの配信人格へ束ねた視覚体系。音の暗さを一般的なGothやオカルト小道具へ置き換えず、検索しづらい名称、反復される低解像度画像、匿名的な流通そのものを造形へ変えた。
見分ける特徴: 黒を潰した夜間写真と、灰・青・骨色に抑えた低彩度 / 走査線、色滲み、垂直の引き延ばしが残る加工映像の静止画 / 三角形や置換文字を混ぜ、読解を遅らせる短い名称と見出し / 一枚の像を低速に反復し、広い黒地と小さな記号で距離を作る
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636
Cyberdelia / late 1980s–mid-1990s
初期サイバー文化を、冷たい端末ではなくサイケデリックな知覚拡張として描いた様式。フラクタル、万華鏡、酸性色、粗い3D文字が、レイヴ、CD-ROM、ハッカー映画の未来像を一つにする。
見分ける特徴: フラクタル、万華鏡、渦をつくる反復 / 蛍光緑、紫、橙が黒地で発光する配色 / 押し出しの深い初期3D文字とワイヤーフレーム / 目、脳、回路、宇宙を重ねる知覚拡張の図像
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648
Pixelscape / early–mid-2000s
初期2000年代のWebで、アイソメトリックな都市、部屋、自然を小さなピクセルで密に描き、サイト全体を探索できる世界へ変えた様式。単体のピクセルアートより、画面を場所として歩かせる構成に特徴がある。
見分ける特徴: 斜め上から見下ろすアイソメトリックな街や室内 / 小さな人物、家具、看板が密に置かれる / タイル単位で続く床、壁、水、道 / サイトのボタンやリンクが風景の物として埋め込まれる
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制作ツールの痕跡が見た目になる
圧縮、データ破損、生成アルゴリズム、初期3Dを裏方へ隠さず、その痕跡自体を主要な見分け方にする。
632
Airbrush Surrealism / late 1960s–mid-1980s
エアブラシの継ぎ目のない階調で、写実的な物体を不可能な尺度と位置へ浮かべた商業イラストレーション。光沢、宇宙、稲妻、断面図を滑らかな表面へ統合し、写真より完璧で現実より奇妙な像をつくる。
見分ける特徴: 暗い空間に浮遊する写実的な物体 / クローム、ガラス、肌をつなぐ無段階のぼかし / 稲妻、星、虹、X線図のような発光線 / 遠近の異なる物体を一画面へ置く夢の論理
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633
Blob World / mid-2010s–
精密にレンダリングした柔らかな塊、膜、毛、液体を、遊びと不穏さの間に置く3Dイラストレーションとモーションの様式。物体名より触感を先に読ませ、企業映像や音楽映像へ奇妙な生命感を持ち込む。
見分ける特徴: 用途を特定できない丸い3Dの塊 / 濡れ、毛、半透明膜、柔らかいゴムの過剰な触感 / 身体の一部を思わせる穴、襞、突起 / 無地の空間でゆっくり変形する中心物体
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634
Corporate Cyberspace / early–late 1990s
初期DTP、通信、バイオテック、マルチメディアの新しさを、実験タイポグラフィと企業広報の秩序の中間へ置いた1990年代の商業様式。歪みや透過を使うが、情報の骨格は壊し切らない。
見分ける特徴: 細いサンセリフへ伸長、ぼかし、透過を混ぜた文字 / 人物、回路、分子、都市を重ねるデジタル・コラージュ / 青紫、緑、橙を暗い地へ発光させる色 / 細い罫線、番号、座標で残す企業資料の秩序
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573
Pixel Sorting / 2010–
画像の画素を明度や色相の閾値で選び、行または列の中で並べ替えて、元の像から長い色の筋を引き出すデジタル画像技法。Kim Asendorfがコードを公開したことで、多数の作家へ再実装された。
見分ける特徴: 人物や風景から水平・垂直に伸びる長い画素列 / 輪郭の一部だけが帯状に流れる / 選別されなかった領域に元画像が残る / 明度や色相の順に滑らかに並ぶ局所的な色帯
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574
DeepDream / 2015–
画像認識ネットワークが学習した特徴を反復して増幅し、雲や岩や葉の中へ目、動物、塔のような形を過剰に見いださせるGoogle発の可視化技法。認識の誤読そのものが、反復する幻覚的な表面になる。
見分ける特徴: 画面全体に反復する目と動物の顔 / 元の輪郭へ沿って増殖する渦状の質感 / 細部を見るほど別の像が現れる多尺度の反復 / 高彩度の青・黄・紫が連続してうねる
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588
Databending / 2000s–
画像や音声のファイルを、本来その形式を扱わないエディタで開いてデータ列を改変し、デコーダの誤読を像として取り出すグリッチ技法。ファイル構造、圧縮、壊した位置が結果の帯や色ずれを決める。
見分ける特徴: 画像の一部が横長の帯へずれる / 色チャンネルの分離と予期しない高彩度 / 元像を残したまま局所的に崩れる圧縮ブロック / 編集位置に応じて反復する行単位の破断
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586
Fractal Flame / 1992–
Scott Dravesが反復関数系へ非線形変換、対数密度表示、構造的な着色を加えた生成画像技法。煙、羽毛、炎、珊瑚のような細密構造が、反復の確率と色の履歴から現れる。
見分ける特徴: 炎や羽毛のように枝分かれする半透明構造 / 暗い地から光る高密度領域 / 反復の奥へ続く自己相似の細部 / 座標だけでなく変換履歴から滑らかに変わる色
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インターネット美学が画面を出る
ネット上の流通が、室内、刺青、ファッション、ケアをめぐるキャラクター体系へ移る例。
711
Avant Basic / late 2010s–early 2020s
Instagramで拡散した、波打つ鏡、泡状の家具、チェッカー、曲線、花形小物を、強いパステルと原色で撮影するポストモダンな室内美学。大量生産のベーシックな部屋へ、彫刻的な一品と背景パターンで“前衛らしさ”を即座に加える。
見分ける特徴: 波形の鏡、泡状・花形・曲線の家具 / ピンク、緑、青、橙の明るい補色 / チェッカー、うねる線、太いストライプ / 白い部屋へ彫刻的小物を一つずつ置く商品写真
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712
Cybersigilism / late 2010s–
左右対称のトライバル曲線、金属ロゴの鋭い棘、デジタルなシジルを細い黒線へ融合した現代の刺青・グラフィック様式。身体の関節と中心軸へ沿って、読めない記号を翼、炎、機械骨格のように広げる。
見分ける特徴: 左右対称または鏡像の細い黒いシジル / 尖った棘、炎、翼、機械骨格のような曲線 / 腰、胸骨、背骨、肩など身体の中心軸へ沿う配置 / 金属バンドロゴ、Y2K tribal、Giger的有機機械の混成
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715
Gurokawa / 2000s–
kawaiiの丸い形、パステル、キャラクターへ、傷、眼球、骨、血、怪物など不穏な記号を組み合わせる日本発の“グロテスクで可愛い”表現。可愛さを壊すのではなく、二つを同じ輪郭と商品表面に共存させる。
見分ける特徴: 丸いキャラクターと眼球、骨、傷などの不穏な図像 / パステルピンク、水色、白へ暗赤や黒を差す / ぬいぐるみ、アクセサリー、服へ小さな異物感を反復 / 表情は可愛いまま、身体や背景だけが異常になる
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724
Yami Kawaii / mid-2010s–
kawaiiのパステル、丸文字、キャラクターへ、包帯、注射器、薬、涙、痛みを示す語を組み合わせ、言いにくい精神的苦痛を可視化した日本のファッション・イラスト表現。可愛さは病を軽くする装飾ではなく、発話の入口として働く。
見分ける特徴: パステルピンク、水色、白へ赤と黒を小さく差す / 包帯、注射器、錠剤、絆創膏、涙の図像 / 丸いキャラクターと痛み・孤独を示す短い言葉 / 大きなパーカー、制服要素、医療小物を重ねる
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