舞台美術
客席という決まった距離から見られる前提で、装置も衣装も顔も誇張して記号に変える仕事が並ぶ。影絵の人形から役者の化粧まで含む。
辞書情報
- ワヤン・クリ(影絵芝居) traditional–present / スタイル
透かし彫りの革人形を灯りとスクリーンで操るジャワの影絵で、輪郭・シルエット・様式化された横顔という影の造形言語を完成させた。
- バレエ・リュス 1909–1929 / スタイル
ディアギレフの一座が美術家を主役に引き上げ、バクストの飽和した色彩とオリエンタリズム、ピカソやゴンチャローワの前衛が舞台からファッションとデザインへ流れ込んだ。
- バウハウスの舞台 1921–1929 / スタイル
シュレンマーの舞台工房が身体を幾何学へ変換した実験。『トリアディック・バレエ』の球と円錐の衣裳が、人間を空間の中の形態として踊らせ、パフォーマンス美術の原点になった。
- 構成主義舞台美術 1922–1930s / スタイル
絵画的背景を捨て、俳優が動くための裸の機械=装置を舞台に置いた革命期ロシアの様式。ポポーワの『寛大な寝取られ男』の回転する構造体が、舞台美術を「働く構成」に変えた。
- 新舞台芸術 1890s–1930s / スタイル
描き割りの写実を捨て、光・段差・単純な立体で音楽と身体の空間をつくる舞台改革。アッピアの「生きた光」とクレイグの動く衝立が、照明デザインという職能そのものを生んだ。
- コンメディア・デッラルテ 16th–18th century / スタイル
仮面と定型衣裳で人物類型を一目で伝えるイタリアの即興喜劇。アルレッキーノの菱形模様、プルチネッラの白装束など、視覚記号の体系が美術・衣裳・グラフィックに引用され続ける。
- 隈取 1673– / スタイル
歌舞伎の化粧が筋肉と血管を紅や藍の線で誇張し、役の性格を顔の上に図案化する様式。写楽の役者絵が刻んだ大首絵とともに、日本のグラフィックの強い顔の原型になった。