具象絵画

人物や場所を識別できる像として描きながら、何を主題に選び、どこまで理想化し、筆触をどう残すかによって社会と現実への立場を分けた絵画が並ぶ。

辞書情報

  1. ロマン主義 c. 1790–1850 / スタイル

    理性と規範だけでは捉えきれない感情、崇高、自然の圧倒、革命、異常な出来事を、劇的な光、斜めの動勢、荒れる筆触、極端な尺度差によって観者の身体へ迫らせた18世紀末から19世紀前半の様式。

  2. 写実主義 c. 1840s–1880s / スタイル

    神話、理想化、劇的な英雄物語より、同時代の労働者、農民、都市生活、見慣れた場所を大画面と物質感のある描写へ持ち込み、何を重要な主題とみなすかを社会的に組み替えた19世紀の様式。

  3. 自然主義美術 c. 1870s–1900 / スタイル

    写実主義の同時代性を引き継ぎながら、観察、環境、遺伝、労働条件が人物の行動と身体をどう形づくるかを、戸外光、細部、因果関係の読める場面として記録しようとした19世紀後半の国際的な傾向。

  4. アカデミック美術 17th–late 19th century / スタイル

    美術アカデミーとサロンが定めた素描、解剖、古典研究、主題の序列を基礎に、輪郭の制御、滑らかで筆跡を隠す表面、理想化した人体、読みやすい歴史・神話場面を完成度の規範として磨いた制度的な様式。

  5. 秩序への回帰 1918–1930s / スタイル

    第一次世界大戦後、前衛の断片化と速度から距離を取り、古典的な輪郭、安定した人体、静物、明瞭な空間へ戻った国際的な動向。過去をそのまま復元せず、Cubismなどで得た単純化を残したまま、重さと読みやすい秩序を回復する。

  6. アシュカン・スクール c. 1900–1915 / スタイル

    20世紀初頭のニューヨークで、劇場街、安酒場、混雑した通り、労働者の住区を、新聞挿絵の即応性と暗く粗い絵肌で描いた都市写実。整った上流社会ではなく、近代都市の密度と摩擦を大画面の主題へ押し上げた。

  7. ベイエリア・フィギュラティヴ 1950s–1960s / スタイル

    抽象表現主義の大きな筆触と厚い色面を捨てずに、人物、室内、街、風景へ戻したサンフランシスコ湾岸の絵画。形は読めるが輪郭は揺れ、人物と背景が同じ絵具の圧力で組み立てられる。

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