アメリカ近代美術
自国の風景と産業を、ヨーロッパとは別の主題として引き受けた絵画が並ぶ。静かな光の風景から工場の幾何学までが同じ問いの上にある。
辞書情報
- プレシジョニズム 1910s–1940s / スタイル
工場、サイロ、都市、機械を、明確な輪郭・単純な幾何学・滑らかな面へ還元して描く。
- ルミニズム 1850–1875 / スタイル
アメリカの風景画で、筆跡を消した滑らかな画面に、水平線まで段階的に変化する大気の光を描いた様式。人物は小さく、水面は鏡のように静止し、光そのものが主題になる。静けさを設計する構図の教科書。
- トーナリズム 1880–1915 / スタイル
画面全体を一つの調子(トーン)で覆い、輪郭を霧や薄暮に溶かすアメリカの風景様式。灰・青灰・褐色の狭い色域と柔らかな輪郭が、記憶の中の風景のような曖昧さを作る。限定色による情感の設計。
- アメリカン・リージョナリズム 1930–1943 / スタイル
大恐慌期のアメリカで、ヨーロッパ前衛を拒み中西部の農村と労働を写実的に描いた運動。うねる丘陵、様式化された人物、明快な物語性が、壁画・雑誌・切手を通じて国民的な図像になった。地域性を様式にした典型例。